I’m劣勢

タバコを吸い始めて二ヶ月で学校の健康診断にチリバツピックアップされて肺再検査。
畜生もうあんなもん吸わねえ!と憤りの勢いに身を任せて家から二時間かけて(電車一時間半徒歩三十分)学校指定の僻地の胃腸科医院へ。
レントゲンを撮ってもらうとなにやら右肺が腹膜炎を起こして水がたまっとるがもう直りかけているので問題は無いでしょうとのこと。
「膝に水がたまってる」とか言われると「ああ、激しいスポーツ訓練の末に体を壊した悲劇のアスリートなのね!憂いを含んだ表情が素敵!」とか言う事もありえないでもないという気がしますが「肺に水がたまってます」っていわれるとマジで病気っぽくて「大丈夫?心配だけどあんまり近寄らないでね。伝染るかもしれないから。まあお大事に」って感じになってちょっと嫌ですね。良いんだよもう直りかけてるんだから!俺の体は虚弱ながらも快方に向かってるんだから!蓋し担当の医者は現像した俺のレントゲンの脊髄部分をなぞって曰く
「それよりも君背骨が曲がってるよ。背筋を鍛えなさい。まだ若いんだから」
うるせえ。
余計なお世話だこのヤブめ。ヤブうまワイドめ。
憤りの勢いに身を任せてタバコを吸い吸い帰途につく。二時間かけて(徒歩三十分電車一時間半)。
(注・文中の「蓋し」の用法は誤りですので真面目なところで真似して使うと「あれ?あいつちょっと違うんじゃねえ?」という微妙な空気を生むことになるので注意してください)